屋根の上を見てごらん

京都の民家の屋根の上で、厄除けの鬼瓦や縁起物のお多福さんに混じって、ひげ面に中国風の衣装を身に着けた、少し怖い顔をした人形を見かけたことはありませんか?

f:id:arazarukyouto:20180612091018j:plain

中国の唐の玄宗皇帝が病の床に就いていた時、夢に鐘馗という人物が出てきて病を癒したという故事から、鐘馗さんは魔よけの神として宗敬されている。
京都では江戸時代にすでに屋根の上の鐘馗さんが登場しているが、この鐘馗さんはなんと、鬼瓦に対抗するために登場したものだという。あるとき向いの家の恐ろしい形相をした鬼瓦のせいで病気になった女性がいた。医者がその鬼瓦に対抗して鐘馗像を置くと、女性はたちまち全快したというのである。

 

 

f:id:arazarukyouto:20180612091221j:plain


屋根の上に飾られた鐘馗さんをはじめとする鬼瓦やお多福さんは、一見すると思い思いの方向を向いているように見えるんですが、じつはその並び方にはある法則が隠されているそうなんです。。。

f:id:arazarukyouto:20180612091243j:plain


鐘馗さんと鬼瓦が相対する場合はしっかり向かい合い、鐘馗さん同士のときは視線をそらしにらみ合わないように設置され、さらに鐘馗さんとお多福さんが相対するときは、鐘馗さんのにらみをお多福さんが笑ってかわすという事で向かい合わせに置かれているんだそうです。
京都の古い街並みをぶらり歩くことがあったら、屋根の上をみるとそこに鐘馗さんがいるかも。。。?